迷惑メールの対処法

(電子メールによる一方的な商業広告の送りつけへの対応)

DM(ダイレクトメール)やチェーンメール等、電子メールによる一方的な商業広告の送りつけが近年社会問題となっています。そういった事態に対応するため、「特定商取引に関する法律」が改正され、未承諾の広告を送信する事業者に対し、以下の義務が課されました。

@    [再送信禁止]:消費者が、広告メールの受け取りを希望しない旨の連絡を事業者に行った場合には、その消費者に対し、広告メールを再送信してはならないこと。

A   [表示義務]:消費者が事業者に対して広告メールの受け取りを希望しない旨の連絡を行うための方法(送り先)を、事業者はメール内に表示しなければならないこと。

上記の法改正に伴って、省令も以下の通りに改正されました。

B    [表題部表示]:請求等に基づかずに送信される広告メールの表題部に「未承諾広告※」と表示すること。

C    [受信拒否]:請求等に基づかずに送信される広告メールに受信拒否のための連絡方法を表示する場合には、メール本文の最前部に「<事業者>」との表示に続けて、事業者の氏名又は名称及び受信拒否の連絡を受け取るための電子メールアドレスを表示すること。

このように、電子メールによる一方的な商業広告に対し、消費者保護の適正を図るための規制が設けられました。以下、具体的にその規制内容を説明します。

(1)表題部の表示について

    事業者の義務

消費者からの請求に基づかずに広告メールを送信する際には、表題部の最前部に「未承諾広告※」と表示しなければなりません。(但し、請求等に基づいて送信される広告メールや、メールマガジンに広告を掲載する場合には表示義務はありません。)

    消費者の対処法

・表題が「未承諾広告※」と表示されたメールは、開封せずに削除することができます。

・いわゆるフィルタリングサービス(指定された文字が含まれている場合に、その内容を自動的に削除する機能)が利用できる場合には、表題部に「未承諾広告※」と表示されたメールを全て受信拒否することができます。

(2)受信拒否について

◇事業者

消費者からの請求に基づかずに広告メールを送信する際には、メールの本文の最前部に「<事業者>」との表示をつけ、続けて事業者等の氏名(名称)と、消費者から受信拒否を受取るための電子メールアドレスを表示しなければなりません。(消費者の請求等に基づいて送信される広告メールについても、原則として、受信拒否を行うための連絡方法を表示する義務があります。)

◇消費者の対処法

消費者は、受信拒否の通知を行う場合には、広告メール中に表示されたメールアドレス宛に、@受信を拒否する自己のメールアドレスと、A全ての広告を受信拒否する場合には空白で、期間や内容を限定して受信拒否する場合にはその旨を記載して通知することとされています。

(3)再送信禁止義務について

◇事業者

消費者から受信拒否の連絡を受けた後は、広告内容やメールアドレスを変えたとしても、当該消費者に対し広告メールを送信することが禁止されます。これに違反した場合には、刑事罰の対象となります。(罰則について参照

◇消費者

受信拒否の通知をした後に、再び広告メールが届いた場合には、当該事業者が再送信禁止義務に違反していることになるため、法的問題が発生します。ここで注意していただきたいのは、事業者が受信拒否の通知を受取っていなかったと主張し、法的責任の追求から逃れようとする可能性があるということです。そういった事態に対処するため、受信拒否の通知を行った際には、その通知と再送信された広告メールの記録を保存するようにしていて下さい。(受信拒否の際に、氏名や住所等の個人情報を不用意に提供する行為は控えることをお勧めします)。

(4)罰則について

特定商取引法の表示義務や再送信禁止義務等に違反した事業者は、行政処分(指示、業務停止命令)の対象となり、指示や業務停止命令に違反した場合には、さらに罰則の適用をうけることになります。

指示違100万円以下の罰金

業務停止命令違反300万円以下の罰金又は2年以下の懲役、又はその併科(法人の場合、3億円以下の罰金)

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